2024年7月2日 • 所要時間:約7分

ワークプレイスに影響を与える5つの傾向

オフィス環境内で見られる傾向に関するインサイト

by Aaron Haworth

世界中のオフィスは、社会的な変化や技術革新によって著しい変化を遂げています。企業がさらなる発展を遂げるためには、現在私たちが直面している変化とその変化が働き方にもたらす影響を、企業リーダーと従業員の両方が理解する必要があります。

今回は、現代のワークプレイスを再形成している5つの傾向をご紹介します。これらすべては企業に新たなチャンスをもたらすものであり、その内容は、サステナビリティに関するものから世代交代、急速に進歩するテクノロジーなどさまざまです。こうした傾向を深く学ぶことで、単に時代遅れにならないだけではなく、企業が可能な限り最善の形で時代の傾向に適応し、発展することができるようサポートすることができます。

1. サステナブルな素材は感情的な反応を促進する

製品に使用されている素材は、サステナビリティにおいて大注目のテーマです。そして誰もが、サステナブルな素材への移行が企業目標達成に欠かせない要素であることを理解しています。しかし、素材というテーマ内のトレンドは環境への影響に関するものだけではなく、サステナブルな素材が感情的なつながりへもたらす影響にも注目が集まっています。

良い素材とは環境にやさしいだけではなく、視覚的に心地よさを生み出すことから私たちにもやさしい素材です。再生利用された木材や竹材は、私たちに自然とのつながりをもたらしてくれる上、誰もがサステナブルであると理解できることから人気を集めています。また、ヘンプ(麻)や藁といった天然素材は、大量に栽培しやすく使用も簡単で、美しいデザインを生み出すことができます。 

金属も同様にトレンド素材となっており、未加工のメタリック質感が注目されています。金属素材の代表的な例には、そのコスト面と再利用性から、アルミニウムが挙げられます。一般的にメタリック仕上げは、優美な印象や虹色のようなきらめきを生み出すことができ、企業が求める感情的なつながりを促進できるため人気を集めています。

2. 航空ビジネスから学ぶ

現在では、空間内での感情的体験を向上することが重要なテーマとなっており、さまざまな業界内の企業がより居心地の良い空間づくりを実現するために取り組んでいます。航空会社や空港も例外ではなく、空間や空間内での体験がより好ましいものとなるように尽力しています。 

リモートワークが普及した中であえて通勤やオフィス勤務をする人の多くが感じるように、空の旅も面倒で精神的負担をもたらすものと捉えられるようになりました。航空業界が提供する空間には、魅力や居心地の良さが圧倒的に欠けており、利用者を魅了することができません。

そこで旅行業界はこうした傾向を覆すため、感情に訴えかける体験の向上を目指しており、これはワークプレイスが目指す目標と類似しています。アメニティやデザインを通して優れた魅力をワークプレイス内に生み出すことで、オフィス出勤に対する従業員たちの気持ちを高めることができます。

航空旅行業界では、より多くのラグジュアリー体験がフライトと空港の両方において展開されています。また、より多くのアメニティが空港近くまたは空港内で提供されるようになったことで、以前よりも滞在したいと思える場所(例えフライトが予定通りに離陸しない場合でさえ苦になりにくい場所)となりました。

デザイン観点から見ると、バイオフィリアや天然素材が重要な要素となっており、これらは殺風景で魅力のない空間を活気と緑あふれる空間へと作り変え、旅行者の心と身体のウェルビーイングをサポートすることができます。こうしたバイオフィリアを取り入れたアプローチは、ワークプレイス内に導入することで従業員にも同様のメリットを提供することが可能です。さらに、航空旅行業界は出張などに飛行機を利用する人々を対象に、彼らが落ち着いて仕事をこなすことができるような空間づくりにも取り組んでいます。居心地の良さや多様なアクティビティをサポートする空間の提供など、ワークプレイスは同様の方法で環境を転換することで、こうした傾向から得られた学びを活用することができます。   

最後に、航空会社は身体障がい者だけではなく、精神・認知障がいを抱える人たちに対するアクセシビリティの向上にも積極的に取り組んでいます。目に見えない障がいを抱える人たちにとって、働くことがストレスや負担の多いものとなるように、旅行自体も大きなストレスをもたらす要因となり得ます。一部の航空会社は、脳に多様性を持つ子どもたちが実際の旅行日程の前日に空港や飛行機を体験できる機会を提供し、彼らの不安を軽減できるようにしています。また他の航空会社では、自閉スペクトラム症を持つ搭乗者にツールやガイドを提供し、より快適なフライト時間を過ごせるように取り組んでいます。これを受けて、通勤やオフィスでの勤務時間がもたらす不安やストレスを軽減するサポートとして、ワークプレイスが従業員に提供可能なリソースとは何か、考えてみましょう。 

3. 時間・スケジュールの移行

仕事とプライベートの時間を今までにない形で振り分けるなど、人々の一週間の過ごし方には新しいスタイルが浸透しつつあります。リモートワークとハイブリッドワークは、実用的および個人的な理由から、夕方の経済活動の発展を著しく促進しています。

この時間移行の主要な推進要因となっているのは、育児・保育、用事、家事などの雑務です。週5日、毎日5時までオフィスに留まる必要がなくなったため、より柔軟なスケジュールが可能となりました。実際に、従業員は個人の重要な用事をこなすためにオフィスを早く退社することが調査によって明らかになっています。ワークライフバランスに関する新しい観点により、従業員は日中に予約や重要な用事をこなすことができるようになった一方で、その日のタスクの完了やメールへの返信を行うために夕方に仕事に戻る傾向が高まりました。

人々が自身の時間やスケジュールを管理・調整することを重視する傾向が継続する中、月曜日と金曜日は自宅で作業する頻度が高まっています。そして多くの企業では、業務の大半が火曜日から木曜日に進行しています。本質的に月曜日から金曜日という従来のシステムは大きく変化しており、最善の業務遂行時間に関するニューノーマルが確立されつつあります。

4. Z世代がワークプレイスにもたらす影響

パンデミック、気候変動、不安定な世界情勢などさまざまな変化が生じる中で、Z世代の行動は彼らを取り巻く世界から多大な影響を受けています。上の世代と同様に、現在Z世代は主に生活費を最も懸念しており、その関心は気候変動や社会正義といったテーマよりも強い傾向があります。

不確実性が高い世界で育ち、絶え間ない変化に適応し続けてきたことで、Z世代は実利主義や実用性などにより一層突き動かされる傾向があり、伝統や慣例への親和性が低い点や、今まで実行してきた方法で物事を進めていく姿勢は、こうした変化の連鎖反応であると言えます。彼らは、足並みを揃えて昔ながらの人生スタイルを歩むことは成功につながらないという現実を見据えているのです。

また、Z世代はパンデミックによる教育的・社会的影響が主な原因として成熟の遅れを経験しています。結果としてZ世代は、金銭と行動の両面においてより一層両親に依存しており、これはZ世代の前の数世代では見られない傾向でした。これはZ世代の仕事と資金管理観点にも影響をもたらし、成人として迎える節目というものが到達不可能なもののように感じられるようになりました。

Z世代の働き方や姿勢は、期待を上回る働きをするのではなく、契約書に記載されている仕事のみをこなす、「Act Your Wage(給料相応に振る舞おう)」というソーシャルメディアトレンドに代表されます。この点もまた、Z世代の実利主義と人生経験(一定した経済的混乱、企業に対する深い不信感)に起因しており、Z世代は仕事とは従業員と雇用主間の取引上の義務であり、それ以上でもそれ以下でもないもの、として捉えています。

5. 新しいテクノロジーの導入

テクノロジーのトレンドは目まぐるしいスピードで発展し続けています。現在ではワークプレイス内の大半のデータベースが、AIとその機能を中心に展開されています。

米国ではAI利用の安全面と法的側面の両点に関して多くの議論が繰り広げられており、企業は、自社製品やサービス、従業員の生産性の向上にAIを活用する方法を模索しているだけではなく、著作権や知的財産権といった問題も懸念しています。さらに全米では、AIとそのアウトプット(産物)に課せられるべき適切なレベルでの政府監視、制限、保護を検討しています。

同様に、デジタルプライバシーやセキュリティーに関する議論も再度注目されています。多くの企業はAIが人々のつながりを促進する方法に注目しており、これはポジティブなテーマであると同時に論争を招くものでもあります。AIに関する最新の開発や発展を把握することは、ビジネスサイズを問わずすべての企業にとって重要な作業となっています。 

多くの人々は、早い段階で「仮想現実や代替現実ツールは非実用的である」と決めつけていました。しかしApple Vision Proヘッドセットの発表を受けて、私たちがパンデミック時に見たVRやARテクノロジーは時代遅れかもしれませんが、VRやARテクノロジーそのものの未来は開かれていることが明らかとなりました。これらのテクノロジーにはまだある程度の限界が存在していますが、ユーザーの使いやすさにおいては驚異的な飛躍が期待されます。一部の企業にとって、AIと同様にこうした新しいテクノロジーは、ソリューション展開を向上する方法を決定する際に重要な検討要素となるでしょう。

発展し続ける現状

仕事を取り巻く環境は日々発展し続けており、こうした現状は企業や組織が活用できる機会を数多く提供しています。サステナビリティにおいては、企業は環境に配慮した素材選択から得られる感情的な反応を求めており、ホスピタリティ向上への注力は、感情的な心地よさや経験を求める姿勢の上に形成されています。これは従業員のウェルビーイングや満足度を最優先する方向への基盤的な転換であり、従業員の職場体験を重視したワークプレイスの構築を目指すものです。 
 
新しい時間構造の発展とテクノロジーの進歩は、従来の作業構造を変革しつつあり、より優れた柔軟性と効率性を従業員に提供しています。こうした変化を受け入れることは、決定的に重要です。変化を受け入れることによって、企業は競争力を保ち、急速に変化し続ける世界経済に対応できるようになります。働き方の新しい時代を突き進む中企業に求められるのは、敏捷性を維持すること、そしてこうした傾向を積極的に利用し、ステークホルダーのために成功を推進することです。 

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