2024年1月23日 • 所要時間:約6分
表面素材で高めるインテリアデザイン
by Haworth, Inc.
日々進化し続けるワークプレイスデザインの中で、色合いや素材は空間の個性を形成したり、雰囲気を設定するのに極めて重要な役割を果たしています。考え抜かれたデザインは、目指す空間やブランド性を深く理解することから始まり、戦略の中で完成されることで特定の感情や体験を生み出すことができます。
今回は、2024年にぜひ参照していただきたいインスピレーションあふれるデザイントレンドテーマを6つご紹介します。
ヒップストリックトレンドは、ミッドセンチュリーデザイン要素にソフトでモダンな形状をスタイリッシュに合わせ、どこかノスタルジックな感覚とともにユニークかつパーソナライズされた空間を生み出すものです。コッパーや濃いオレンジ色、テラコッタ、アンバーなど、秋を思わせる色合いが、空間に上品な穏やかさをもたらします。
さらにこのトレンドは、大理石などの天然素材を大胆に使用したり、空間に個性や深みをもたらすさまざまな色合いの組み合わせを特徴としています。淡色と濃色の石や岩などの素材は、空間に質感と自然を思わせる要素をもたらすだけではなく、壁に起用して大胆なアクセントとして用いることで、特定の要素を際立たせることができます。
コースタル・アンビエンスは、暖かく爽やかな日に海を眺めている時のような癒しやくつろぎを体現するデザインで、砂、太陽、貝殻といったソフトなナチュラルカラーをシームレスに取り入れることで、心地よい雰囲気を生み出しています。
インテリア空間は、温かみのある白や明るい天然木の色合いによってニュートラルな雰囲気を際立たせることができます。配色には、デザイン要素を美しく引き立ててくれる明るいグレージュ、トープ、クリーミーホワイト、ダスティピンク、ブラッシュなどが含まれています。
デザインにさらなる奥深さをもたらすために、デザイナーは葦や竹、籐、ロープといった質感のある素材を表面に用いた家具をアクセントに配置しています。また、ビロードの一種であるフラシ天や毛足の長いブークレなども空間に贅沢さと快適さをもたらすことができます。
アーティザン・ワンダラーは、世界のデコレーションやクラフトマンシップからインスパイアされたもので、さまざまな国や地域、文化から素材や要素を集め、組み合わせるものです。このトレンドの主役は、ハンドクラフトや現地で調達された素材です。
温かみのあるゴールドトーンは、カラーパレットに温もりや活気をもたらし、アップサイクルされたレンガや不揃いなタイルは、回収され、再利用された建築的特徴の魅力を表現すると同時に、ユニークなビジュアルをもたらすことができます。
タペストリーや幾何学模様、アニマルプリントなどがこのトレンドに奥行きをもたらし、手作業で織られた素材や天然素材は、質感に温もりを生み出しています。
ナチュラル・イマージョントレンドを促進する要素は、サステナビリティとアウトドアへのつながりです。デザイナーは、バイオフィリックデザイン要素やセージ、モスグリーン、ユーカリなどのカラーパレットに、ブラウンやベージュなどのアースカラーと木材を組み合わせることで、自然ならではの心を落ち着かせる力をインドアにもたらします。
HGTVが選ぶ2024年の注目カラーは、パーシモン(柿色)です。「自然」を思い浮かべた時に、乾燥した気候を直感的に思い浮かべることは少ないかもしれませんが、テラコッタとタンジェリンが混ざり合ったようなこうしたオレンジブラウンの色合いは、乾燥気候や温もりのある木材とのつながりを生み出します。
落ち着きがあり、自然からインスピレーションを得たデコレーションや家具は、忙しなく騒がしい都市環境に休息やくつろぎをもたらすことができます。さらに、リサイクルされた素材や繊維、無垢材などのサステナブルな要素と、余剰羊毛、海藻、麻、籐などの環境にやさしい素材は、美しい空間を生み出しながら環境に配慮することができます。
ネオデコは贅沢さとコンテンポラリーデザインの融合を体現するデザイントレンドで、1920年代のアール・デコ時代に見られた風変わりなデザインからインスパイアされ、こうしたユニークなデザインをモダンデザインにシームレスに統合しています。
ネオデコの中心となっているのは優雅に弧を描く形状で、特にアーチはデザインの中で重要な役割を担っており、このデザインコンセプトは家具や素材、アートパターン、建築構成の中に見られます。さらに、クロムやマット加工を施したインダストリアルアルミニウムなどのメタリックな仕上げが眩く輝き、家具やキャビネットに施された艶やかな高光沢仕上げがデザインに贅沢さを添えています。
カラーパレットは、幸せを彷彿とさせるカラーでありながら、典型的なパステルカラーを超えた大胆さを体現するソフトで鮮やかなピーチピンクが特徴です。 また、鮮やかなエレクトリックブルーがインテリアデザインにエネルギッシュな魅力をプラスしています。カラーシステムであるColoroが、2025年春夏のキーカラーのひとつとして挙げるサンセットコーラルは、「現代の私たちが抱く生産性や効率への執着心を和らげるだけではなく、エネルギッシュな色合いとは対照的にくつろぎのひとときを楽しむことを促してくれるカラー」です。
センソーリアル・ウェルネストレンドは、さまざまな感覚能力を用いることで複数の感覚に訴えかけるような包括的な体験を生み出すことに特化しています。落ち着いたブルーやグリーンの色合い、そして穏やかなベージュを、多様なグレーグラデーションと組み合わせることで、居心地の良い雰囲気を生み出します。また、こうした色合いに明るい木目調や天然石などの要素を添えることで、空間に温もりと柔らかさをもたらすことができます。
このトレンドをさらに高めるためには、フルーティング(溝彫り)や彫刻ガラス、虹色の艶めきなど、魅力的な質感を組み合わせるのが効果的です。布などを用いた彫刻的な照明などの吸音性要素は、空間に視覚的テクスチャーを加えながら周囲の環境の騒音を軽減することで、感覚にくつろぎをもたらすことができます。また、自然要素や素材を取り入れることで、創造性を高め明瞭な思考をサポートすることができます。
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