パイロットスペースがもたらすワークプレイス変革への貢献

もしもパイロットスペースというものに馴染みがないなら、効果的なワークプレイスを作るための最も貴重なツールのひとつを逃しているかもしれません。パイロットスペースは組織文化だけでなく、従業員の特定のニーズに対応したい企業に適しています。これは、リサーチに基づくデザインのベストプラクティスと実験、そして適応を組み合わせたアプローチ、つまり、試行と調整を重ねる方法なのです。

リスクの軽減

会社のニーズにマッチしているかどうかわからないまま、大規模なリノベーションを行ってしまうのではなく、パイロットスペースではまず購入前の「お試し」のようなアプローチを行うことができます。いくばくかの初期投資は発生するものの、範囲が限定されているため、必要に応じて環境や予算を柔軟に変更することができます。設計の細部を調整してから、それをモデルとして他のスペースに展開すれば良いのです。

国際的なゲーム開発企業であるUbisoft社は、5階建てのモントリオールオフィスの5階をパイロットスペースに指定し、改修工事を行うことにしました。そのため、作業環境で試行錯誤を行いつつ、柔軟に変更することができました。また、この成果は他のスペースの計画や改修に活用でき、今後のプロジェクトでコストを抑えることができます。

ゴールありきのスタート

すべてのパイロットスペースには、明確に定義された目的（ゴール）があるはずです。Ubisoft社にとって、刺激的でコラボレーティブな環境は、独創的で革新的な彼らのカルチャーに必須のものです。ハイブリッドワークをするチームにとってどのような要素が最適かを判断するために、パイロットスペースが用いられました。Ubisoftが目指したのは、生産的な仕事、社交、コラボレーション、集中、ブレインストーミングやイベントを含む、従業員のウェルビーイングのための多様なアクティビティをサポートできる環境を提供することでした。 

柔軟設計

あらゆる状況において、予期しない状況は起こりえますが、この原則はパイロットスペースにも当てはまります。パイロットスペースを設計する際には、どのように使用されるかをよく考えておく必要があります。しかし、実際にその空間が使われてみなければ、個人やチームの働き方、関わり方のニュアンスは見えてこないものです。

そのため、パイロットスペースは変更が必要になることは想定内であり、最初から柔軟に変更できるような設計にしておく必要があります。パイロットスペースの実際の使用状況を踏まえ、特定のニーズや好みに合わせてスピーディに展開することが肝要です。スペースの成長に対応できる機敏性と適応性があり、拡張が可能な要素には、次のようなものがあります。

• モジュール式の家具
• キャスター付きのテーブル
• 軽量＆適応性の高い家具
• オフィスの従業員と、その他の場所で働く従業員をつなげるテクノロジー

適切なパートナーの選定

パイロットスペースに取り組む際には、信頼できる専門知識を提供するだけでなく、自社の価値観を理解し共有できる、コミュニケーション力と協調性のあるパートナーを選ぶことが重要です。これにより、ワークプレイスのビジョンと組織としての目的を達成しやすくなります。Ubisoftのデザインチームは、同社のサステナビリティの価値観に沿い、創造性と革新の文化を育む新しいタイプのスペースの発展のため、ヘイワースの製品、およびヘイワースのディーラーであるCimeのサポートに期待を寄せています。

「何が有効か」を見極めてからスケールアップする

観察、聞き取り調査、定量データなどを通じて情報を収集することで、何がうまくいっているのか、何を変える必要があるのかを特定することができます。パイロットスペースは、目標が達成されるまで簡単に適応させ、微調整することができます。それからテストを行い、他のスペースにも展開可能な、有効性が実証されたワークプレイスを設計することができるのです。また、拡張性があるため、スペースはチームとともに成長し、将来の変化にも適応できます。

ハイブリッドワークへの移行など、働き方に変化があったときに、パイロットスペースは非常に有効に作用します。柔軟なデザインコンセプトで解決策を試し、微調整を重ねることで、より快適で協力的、かつ従業員のさまざまな働き方をサポートするオフィスを創造することができます。