2025年2月4日 • 所要時間:約4分

2025年を彩るトレンドカラー

そして、トレンドを追うときの注意点

by Alex Przybyla

トレンドカラーの捉え方

新年にはトレンドカラーも一新。1月は最新トレンドカラーに関する情報であふれかえっています。そしてその膨大な情報の中には、デスク周りや身の回りに前シーズンのトレンドが残っている人の居心地を悪くさせるような、目に見えない圧力が潜んでいます。「最先端のトレンド」を追うことに否定的な考えが広がる中で、「次のトレンド」を追い続けなければならないという見えないプレッシャー、つまりビジネス化された不満感は根強く残っています。 

トレンドを常に追い続けることはサステナブルの観点にも反し、それはインテリア、家具、ファッションなど分野を問わず共通です。The Guardian Australiaのライフスタイルエディターとして活躍するAlyx Gorman氏は、こうしたプレッシャーの中で「適度なバランスを保つこと」を推奨しています。

今回の記事はたしかに2025年のトレンド予想をまとめたものですが、これからご紹介する内容は決して最新トレンドを取り入れないことを選択したあなたを責めたり、衝動的に何かを捨てるようにほのめかすものではありません。  

私たちが目指すのは、こうしたトレンドを理解し、トレンドの核心を突く要素を見つけることであり、こうしたアイデアをあなたらしい形で空間に取り入れるきっかけとなるようなアイディアをご紹介することです。

大地を思わせる温かなアースブラウン

世界基準となっている色見本帳を発行するPantoneは、カラー・オブ・ザ・イヤー2025としてモカ・ムースを選びました。 

大地を連想させる豊かで温かみのあるこのトーンは、空間に重厚感や質感を生み出すと同時に、空間そのものが持つ雰囲気を際立たせるようにサポートする色合いです。空間が個々の特徴や雰囲気を表現できるように導くことは、取り入れる価値のある「トレンド」と言えます。なぜならこれはカラーを問わず当てはまる思考プロセスだからです。Pantoneが選んだモカカラーは、豊かで魅力的なカラーオプションの一例ですが、あくまでもガイドラインにすぎません。 

次に紹介するティールと同様に、モカ・ムースは落ち着いた印象と豊潤さを感じさせる魅力的な色合いです。特にこのような温かみのあるブラウンは、大型の家具や空間内の広い範囲に使用することで、まるで大自然の中を快適な靴を履いて歩いているかのような、心地よい感覚をもたらすことができます。 

雑誌『ELLE DECOR』は、このリッチカラーを「大地を思わせる」、「穏やかで調和のとれた」、「まろやかな」色合いと表現しています。一方、雑誌『Vogue』は「ブラウン家具ブームの再来」とコメントしています。いままで隅に追いやっていた昔の「ブラウン」カラーの家具があれば、いまこそその魅力を主役として輝かせるときが来たようです。

Pantoneのカラー・オブ・ザ・イヤー2025は、モカ・ムース。写真出典:Pantone

ジェムトーン

ColoroとWGSNは2026年のカラー・オブ・ザ・イヤーとして、進化や変化を感じさせるトランスフォーマティブ・ティールを選びました。近年では淡い色合いが特徴のペールカラーやパステル、ミニマル、くすんだ色合いを含むミューテッドパレットが数多く取り上げられており、こうしたカラーセレクションは神秘的なジェムトーントレンドを象徴しています。(先ほどご紹介したブラウンと同様に、ジェムトーンも長らく忘れられていた存在と言えるでしょう。)

ティールトーンは、存在感がある一方で主張しすぎない落ち着いた魅力をもっており、メッセージ性はあるもののそれを押し付けることはありません。ジェムトーンは特に自然光と組み合わせることによってその魅力がさらに高まります。2025年も空間にその魅力的な雰囲気をもたらしてくれることでしょう。 

力強く、ストーリーテリング性があり、自然光によってその魅力が花開くカラー。こうしたカラー傾向は、今年押さえたい素晴らしい「トレンド」です。 

ColoroとWGSNのカラー・オブ・ザ・イヤー2026は、トランスフォーマティブ・ティール。  写真出典:WGSN

温かみのあるナチュラルミニマリズム 

最近、特に穏やかさを生み出すことを目的とするリラクゼーション空間において、デザイナーはクールホワイトを避け、より温かみのあるナチュラルカラーを好むようになりました。言い換えれば、ミニマリズムデザインのアイデアが「温められて」きている、とも表現できるでしょう。 

『Vogue』はホワイトで統一されたミニマリスト空間は終わりを迎えると予測しています。その空白を埋めるのが、温もりのあるカラーとナチュラルな素材です。(ホワイトで空間全体または大半を統一している方にも嬉しいお知らせ。私もそのひとりですが、こうした空間はアクセントカラーを添えるだけで簡単に華やかにすることができます。私のお気に入りはラスティ コッパー オレンジや、テラコッタと大きな葉が特徴の植物の組み合わせで、しばらくこのマイトレンドが変わることはなさそうです。) 

BBCが紹介した2025年のトレンドカラーには、前述した温もりあるリッチカラーが多く含まれていましたが、そのカラーが用いられる環境や雰囲気は無駄のないシンプルさが際立ち、単一色の温かさが植物や小さなアクセントによって引き立てられているのが特徴です。  

世界的にワークプレイスは、従業員に通勤する価値を感じさせるような環境となる必要があります。こうした傾向の一環として、今後より多くの休憩エリアやリラックス空間を目にするようになるでしょう。人々がくつろげるこうした穏やかで落ち着いた空間は、温もりを感じさせるミニマリズムに最適な空間となり、こうした配色は今後数年間にわたり安定した魅力を生み出してくれると考えられます。


温もりのあるナチュラルミニマリズムは、ホームインテリアにおける2025年の主要トレンドとなるでしょう。写真出典:Apartments.com.

質感やアクセントが光るバイオフィリア 

これまでに見てきた深みのあるジェムトーンや大自然と大地を感じさせるブラウンなどのアーストーンは、自然に包まれるような環境を追い求める傾向に根ざしたものであることは明らかです。この傾向やアイデアの延長線として、今後より多くのバイオフィリア要素が登場し、その表現はさらに豊かになっていくと考えられます。 

大きな葉が美しい植物は、今後さらに人気を集めることでしょう。比較的大きなインテリアアクセサリーとしても捉えることができるこのような植物のプランターは、存在感のあるアクセントカラーをプラスするデザイン機会をもたらします。(さらに、プランターは吸音アイテムとしても優秀です。) 


プランターは、空間デザインにテクスチャーファブリックやアクセントカラー、吸音性能をプラスする機会を提供します。写真出典:BuzziSpace

ストーリーテリングにカラーを活用する

「色とは、それを使ってなにかを生み出さない限りただの色にすぎないのです」と語るのは、ヘイワース インターナショナルの空間デザインディレクターを務めるLiz Teh氏。彼女はこうしたトレンドカラーに共通して見られる「心を動かす」要素を追求しています。いまではトレンドカラーは「あらゆるものに取り入れられ」、モカ・ブラウンを含め、私たちの「料理的」要素も表現されています。 

すべてのカラーは無限に広がる可能性であり、心に響く空間づくりをサポートする存在です。こうしたトレンドカラーは、壁や家具、アクセントアイテムなどを取り入れられる対象を問わず、2025年そしてその先の未来でも空間が語るストーリーの一部となることでしょう。 

そして繰り返しになりますが、私たちはトレンドをタイムレスなデザインに取り入れられる、新しい解釈のデザインコンセプトとして捉え、ご紹介しています。トレンドに沿わないからといって今までのものを捨てて、新しく買い直す必要はありません。しかしトレンドから今までにないインスピレーションを得ることができれば、新しい組み合わせを取り入れたり、意外性のあるアクセントを添えたりできるようになるかもしれません。 

(この記事を含めた)トレンドに関する記事を鵜呑みにするのではなく、程よい塩梅で自分のテイスト、空間のムードやニーズに合うように取り入れることをお勧めします。


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