2024年3月26日 • 所要時間:約4分
オフィス内のパーティションとポッドの音響性能と等級を理解しましょう
by Haworth, Inc.
プライバシーと作業集中は、ワークプレイスにおいて極めて重要な要素です。オフィスは、従業員が必要な音を十分に聞き取ることができる一方で、機密情報を含むミーティング内容を守ることができるような環境である必要があります。一般的なワークプレイスの問題には、騒音やプライバシーの欠如などが挙げられます。本記事では、オフィスの音響性を管理する際に役立つ戦略をご紹介します。音響性とプライバシーニーズの両立を目指して構築された戦略をぜひご活用ください。
音は音波(音響波)として生み出される振動で、物体内やその周囲、さらには物体を通過するなど、空間内を移動します。ワークプレイスでは、私たちの生産性とウェルビーイングは音による影響を受けるため、場所に応じて適切な音量と音の種類をそれぞれ整えることが重要となります。こうしたデザインを実現し、ワークプレイス内の音響性を最適化するためには、まずは音の大きさを計測する際に重要なデシベル(dB)の理解から始めましょう。 デシベルとは、ステレオにダイヤルで表示される音量とは少し異なるもので、デシベルの単位が上がるほど、音の影響は飛躍的に強くなります。つまり、デシベルが大きくなるほど聞き手が認知する音量は増幅し、 実際には、3dB上昇するたびに音の影響は2倍となります。例えば、70dBの音は、50dBの音よりも約100倍大きいということです。
アコースティック・デザインガイドでは、音響的にバランスのとれたオフィス空間を実現するためのアイデア、トレンド、考慮点、ヒントをご紹介しています。
私たちの敏感な耳とプライバシーニーズから、防音性に優れたオフィスの実現はなかなか難しい課題となっています。音の高さを決定する可聴周波数といった要素やバックグラウンドノイズは、私たちが音を知覚する方法に影響をもたらし、プライバシーへの懸念は音響管理の重要性を高めています。反響性素材を使用した表面は騒音を増幅させる一方で、布などの多孔質素材を使用した表面は音を吸収します。効果的な防音戦略は、高品質の素材を重ねて使用することで生まれます。仕切りや照明、ラグ、電話ブースなどのさまざまなソリューションは、使用する表面素材によって音波に干渉することで騒音レベルを調節することができるため、こうした課題に対処することができます。 効果的なアコースティックデザインを実現するためには、複数のソリューションを多様な組み合わせで適応し、空間とその空間を使用する人々のニーズの両方を満たす必要があります。ヘイワースは、これをアコースティックワークプレイスデザインのABCDと呼んでおり、これはそれぞれの頭文字が意味する吸音(absorb)、遮音(block)、マスキング(cover)、拡散(diffuse)といった要素を使用しています。 私たちの聴覚体験は、音の大きさ(dB)、音の高さ(ヘルツ、Hzで測定される周波数)、個人的要因といった要素によって形成されているため、より静かで、生産性をさらに促すようなワークプレイスを生み出す音響ブースや仕切りの効果は、こうした要素に左右されます。
十分な知識に基づく意思決定を行うためには、防音ソリューションの効果や有効性の数値化が欠かせません。音響透過等級(STC)のような評価・等級システムは、仕切りなどが遮断できる音の量を測定する標準的な基準を提供します。STCの数値が高いほど、遮音性が高いということになります。また、遮音等級(NIC)は仕切りがもたらす防音・遮音性を超えて、部屋間の全体的な遮音性を包括的に測定します。一方、ブースやポッドなど、周囲からの隔離を実現するボックス型の家具のために設けられたISO 23351-1:2020のような規格は、評価基準をさらに精緻化しており、プライバシーや快適さを高めるために利用者の音声レベルを低減することにフォーカスしています。
音響性に優れたオフィスはさまざまなメリットをもたらし、より良いワークプレイスの実現に貢献します。集中を妨げる要素を低減することにより、従業員は作業に集中することができ、生産性やコミュニケーション、コラボレーションの向上までをも実現することができます。また、優れた音響環境はストレスや疲労レベルを下げ、従業員のウェルビーイングを促進するだけではなく、機密事項を含むミーティングでのプライバシーも高めることが可能です。
現在では、ファシリティマネージャー(施設管理者)がオフィスポッドの使用を好む傾向が強くなっています。これは、彼らがアコースティックソリューションの重要性を認識しているためだと言えるでしょう。また、企業は不動産投資の効果を最大化したいと考えており、この実現には、スマートで多様性のあるアジャイルな製品が求められます。 一方クライアントは、ミーティングルームで用いられることが多い石膏構造など、コスト効率の良い代替オプションを求めています。Hushofficeが設計するポッドは、現在のオフィスが抱えるニーズに応えるユニークかつ柔軟な特長と機能を提供することができるため、市場内でも特に注目を集めています。さらに、カスタマイズ性や先進のテクノロジーを取り入れることで、Hushofficeポッドは極めて優れた遮音性と快適さを実現し、バランスが取れたオフィス環境と生産性を提供することができます。 音の法則と戦略を理解し、高品質の素材やSTC、NIC、ISOといった規格を採用することで、企業はより効率的にオフィスの音響環境を整えることができます。これにより、生産性の向上を始め、従業員の快適さやウェルビーイングの向上までもが実現可能となるだけではなく、こうした取り組みを通して、ワークプレイスは作業集中、プライバシー、コラボレーションのすべてに貢献することができるような環境を生み出すことができるようになるのです。
過度な騒音は多くの従業員が抱える不満であり、注意散漫の原因となって生産性を低下させてしまいます。音がオフィス内に広がる仕組みや、オフィス内の音響性能を向上させる技術に関する詳細は、アコースティックページをご覧ください。
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