2023年8月8日 • 所要時間:約6分

デスクでできる7つのエクササイズ

短時間のエクササイズで、ウェルビーイングは向上できます

by Teresa Bellingar

一般に推奨されている一週間に150分間の適度な運動をこなすという目標は、運動以外にしなければならないことを考えると実現が難しいように思えるかもしれません。さらにある研究は、運動を有益なものにするためには運動時の心拍数を最低10分間高い状態で保つ必要があるとしています。その一方で、10分以下の小さなエクササイズをこなすだけでも健康によい影響をもたらすことを示す最近の研究があることをご存知ですか?

オフィスやご自宅など場所を問わず、勤務日の大半を座った状態で過ごしている場合、血液循環を促進するために一日を通して体を動かすことができるような方法を見つけることは極めて重要です。最近の研究では、「姿勢を変えること、そして体を動かすことは体の硬直を軽減し、思考や感情をよりオープンな状態へと高めてくれる」ということが明らかになりました。

そこで、体と思考の両方によい影響をもたらすエクササイズをいくつかご紹介します。これらのエクササイズはオフィス内で休憩を取るのに役立つだけではなく、私たちに必要なエクササイズ時間の一部を補ってくれます。

 

エクササイズ前の準備・確認

エクササイズプログラムを始める前に、必ず掛かりつけの医師に相談してください。

 

チェアを使用したエクササイズの前には以下を確認してください。

  • アームレストが完全に下がった状態になっている
  • チェアの張力が最も高い状態になっている
  • 背もたれが直立した状態に固定されている
  • チェアの前に立つ際にチェアのキャスターが邪魔にならない位置にある

 

ワークテーブルを使用したエクササイズは、キャスターが付いたテーブルでは絶対に行わないでください。

腕の回転運動

1. 座った状態または立った状態で、中立姿勢のまま脚を腰幅に開きます。

2. 腕を両サイドに広げ、体と腕でTの字を作ります。手のひらは下向きにして床に面するようにします。

3. 広げた腕をそのまま維持しながら、手のひらが上向き(天井に向く状態)になるように腕を回転させます。この際、肩をすくめないように気を付けてください。

4. この動作を少し難しいと思うスピードで30秒〜1分間行ってください。

座った状態での歩行運動

1. 座った状態で太ももが床と並行になるようにチェアの高さを調節してください。 

2. 中立姿勢でチェアのシートの前側半分に腰掛け、手はシートパン(シートの底面)に軽く添えます。

3. 腹部を意識しながら息を吐き、片脚を床から上げます。この際、腰や骨盤(下腹部)の位置や姿勢を変えたり、片側に体を傾けないように気を付けてください。

  • 膝のみをできるだけ高く上げ、他の体の部位が一切動かないようにします。
  • 骨盤や腰を動かすことなく、膝を股関節の屈曲90度よりも高く上げることを目標に取り組みましょう。

4. 上げた膝を下ろし、同じ動作をもう一方の脚で行います。

5. 各サイド8回繰り返してください。脚の筋肉を使って膝を動かさないようにしましょう。あくまでもこの運動は腹部/コア(体の中心部)のエクササイズを目的としたものです。

クリスクロス

1. 座った状態で太ももが床と並行になるようにチェアの高さを調節してください。 

2. 中立姿勢でチェアのシートの前側半分に腰掛けます。

3. 手は頭の後ろに添えて、肘は視覚の端に見える程度に両サイドに広げてください。

4. 体のコアを意識し、息を吐いて、左の膝を上げます。この際胴体を回転させて、右肘を左膝に向けて動かします。 

  • この動作時は骨盤を固定し、背骨は中立姿勢を維持します。 
  • 肘と膝を合わせる際に背中が曲がらないように注意してください。

5. 各サイド8回繰り返してください。

スクワット

初級者向け:シートの高さを上げます。

上級者向け:シートの高さを下げます。

1. チェアの少し前(5〜7cm)に中立姿勢で立ち、脚はまっすぐの状態で腰幅に開きます。

2. 体のコアを意識し、息を吐いて、両手を目の前にまっすぐ伸ばします。骨盤を前傾させる際、背骨は中立状態を維持します。

3. チェアのシートに触れる寸前まで腰を落としながら膝を曲げます。この際、膝が足と並行した位置になるようにします。膝が足よりも前に出ないように気を付けてください。

4. 息を吸い、踵に力を入れて立った状態へと戻ります。

5. この動作を8回繰り返してください。

トライセプスディップス(上腕三頭筋運動)

高さ調節可能なテーブルを使用する場合、このエクササイズを行う前に立った状態のあなたの腕が曲がらないような高さへテーブルを調整します。

上級者向け:ワークテーブルを低くし、テーブルから離れた位置に立ちます。腕がまっすぐの状態になっているのを確かめてからエクササイズを始めてください。

1. テーブルから7〜15cm離れた位置で、テーブルに背を向けて中立姿勢で立ちます。

2. 手は肩幅に開いた位置でテーブルの端に置きます。

3. 肘と膝を曲げて胴体を下げます。この際肘が外側に向いて広がり、肩をすくめないように気を付けてください。

4. 肘と膝をまっすぐにして、元の位置に戻ります。

5. この動作を8〜12回繰り返してください。

グルーツパルス(殿筋運動)

1. ワークテーブルに面して立ち、手は肩幅に開いた位置でテーブルの端に置きます。胴体の位置は自分に合わせて以下から選択してください。

  • 背骨を中立状態でまっすぐ立つ(初級者向け)。
  • ワークテーブルから少し離れた位置に立ち、胴体をやや前傾させ、片足を後ろに伸ばして爪先が床に触れる状態にする。
  • ワークテーブルから離れた位置に立ち、胴体を傾けて床と並行になるようにする。体を支える脚を曲げ、運動する脚を後ろに伸ばして爪先が床に触れる状態にする。

2. 殿筋を意識して脚を床から上げます。この際、脚を高く上げるのではなく、殿筋が機能する位置まで上げてください。 

  • 動作を行う際に骨盤が傾いたり、上がったりしないように注意してください。 
  • 背骨を中立状態で保ちます。

3. 脚を下ろします。

4. この動作を8〜10回繰り返します。その後は反対の脚で同じ動作を繰り返してください。

スワン

このエクササイズは高さ調節可能テーブルを使用するのが最も効果的です。ワークテーブルを腰とほぼ同じ高さになるように調節します。

1. ワークテーブルに面して立ち、テーブルから一歩後ろに下がって体を次のように動かします。

  • 腰の位置で前傾します。
  • 手は平らにし、肩幅に開いた位置でテーブルの上に置きます。 
  • テーブルから十分に離れ、背中と腕がまっすぐになるようにします。
  • ハムストリング筋(膝腱)が硬く、十分に前傾できないと感じられる場合は、テーブルの高さを少し上げてください。
  • 肩をきちんと下げ、耳元まで上がらないようにしてください。

2. 腹部を意識して背中を支えます。

3. 手をテーブルに置いたままの状態で、息を吸いながら肩甲骨を後ろに引き、上半身をストレッチ(伸長)します。

  • 手に力が入ってテーブルを押さないように気を付けながら、腰の位置を維持します。
  • 上半身をストレッチする際、腰ではなく背中を意識して伸ばすようにしてください。肋骨の下を上に向かって伸ばすようにイメージします。
  • この際、首が背骨とまっすぐの状態になるようにしてください。

4. 息を吐き、元の位置に戻ります。 

5. この動作を3〜6回繰り返してください。

 

上級者向け

ストレッチしている間、体の他の部分を動かさないようにしましょう。

  1. 右手を少しテーブルから上げます。この際、左手に力を入れないようにしてください。
  2. 右手を下げ、同じ動作を左手で行います。

 

運動の重要性と運動がウェルビーイングにもたらす影響に関する詳細は、「3層ムーブメント」をご覧ください。

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