2022年10月18日 • 所要時間:約6分
スペースの適切なセットアップと健康への配慮でゲームに集中
by Haworth, Inc.
かつて「テレビゲームをする」というだけだったものは、今や数十億ドル規模のグローバルなエンターテインメント産業となりました。ゲームの人気は年々高まっていますが、コロナ禍の際に驚異的な成長を遂げました。これは、家に閉じこもっていた人々が必要としていた社会的交流が、ゲームに参加することで可能になったからです。しかも、外出自粛やロックダウンが終わっても、ほとんどの人がゲームをやめませんでした。その人気は現在も衰えることなく、より多くの時間、そしてお金が費やされ、毎日新しいプレイヤーがログインしています。
ゲームは、子供や気軽な遊びを求める人のためだけにあるのではありません。全世界で30億人と推定されるゲーマーのうち、約80%が18歳以上です。アクセンチュアのレポートによると、ゲームユーザーは1週間平均30時間をゲーム関連の活動に費やしている可能性があります。 • ゲームプレイに16時間 • ゲームストリーミングの視聴や参加に8時間 • ゲームフォーラムやコミュニティでの交流に6時間 これは、仕事や学校で画面の前に座っている時間が週40時間以上であることに加え、1日8時間どころか、14~16時間も同じ椅子に座っている可能性があることを意味します。
ゲームの発展に伴い、eスポーツが世界的なブームとなっています。世界各地にプロとアマチュアの競技リーグ、組織、チーム、そして何千人もの個人プレイヤーが存在します。北米だけでも175以上の大学がNational Association of Collegiate Esports(NACE、全米大学eスポーツ協会)に加盟し、公式に認められた大学対抗のeスポーツプログラムを提供しています。スポーツの生中継と同じように、プレイヤーを観戦する会場があり、ライブストリーミングされる大会やイベントが行われ、多くのファンがいます。
典型的な「アスリート」のステレオタイプには当てはまらないかもしれませんが、eスポーツプレイヤーはあらゆる意味でアスリートであり、自分の身体と精神を極限まで追い込みます。長時間プレイで1日に8~12時間も座り続けることも珍しくなく、キーボードやマウスを使って1分間に500回以上のアクションを記録するプレイヤーもいます。これほど長時間座って集中力を維持し、キーボードやマウスを使い続けることは、ストレスや疲労から手根管症候群まで、多くのeスポーツ健康問題につながることが示されており、長時間猫背で座っていることが関連していると思われる肺虚脱の例さえあります。
ゲームの性質上、プレイヤーは、オフィスで従業員が直面するものに似た、次のような健康問題やけがのリスクにさらされます。 猫背 - 研究によれば、猫背で座っているときは、背筋が伸びているときと比べ、ポジティブな思考を呼び起こしたり認知タスクを実行したりするための脳への負担が増加することが分かっています。 座りっぱなし - ある研究によると、ゲーマーの40%は運動をしておらず、15%は休憩を取らずに3時間以上座りっぱなしであることが判明しています。 筋骨格系の痛みとけが - これらは、首、背中、手首、手、肩に最もよく見られます。 コンピュータビジョン症候群/目の健康 - いくつかの研究では、ゲーマーとeスポーツアスリートの50%が目の疲労を訴えていると言われています。 ストレスと不安 - 平均心拍数はゲーム中に著しく上昇することが分かっています。これはストレスが原因と考えられ、普通の運動による心拍数増加のような効果はありません。 eスポーツ界やゲーム業界でも多くの呼びかけが行われているものの、これらの危険因子やけがを減らす方法を見つけることは、プレイヤーの不快感を取り除き、より長く集中できるようにする鍵になります。人間工学に基づいた良いセットアップは、ゲーマーやeスポーツアスリートにとって不可欠なのです。
ヘイワース製。UNSC公認。
ゲーマーやeスポーツアスリートが投資すべき最も重要なツールの1つは、誰もが自分のニーズと心地良さに合わせて調整できる、優れた人間工学的チェアです。ゲーマーは最低限、以下のような調整が可能なチェアを探すとよいでしょう。 • シートの高さ • アームレストの高さと幅 • シートの奥行き さらに踏み込めば、ゲーマーやeスポーツアスリートには、それぞれの好みのプレイ姿勢をサポートできることが重要です。 • 真っ直ぐ座る - 調整可能なランバー(腰部)があると背中をサポートできます。 • 後傾姿勢 - 張力が調整できるチェアが重要な場合があります。 • 前傾姿勢 - 前傾姿勢をサポートするチェアが便利でしょう。
プレイするときは、どのような姿勢で座っていてもさらに考慮すべき点があります。 • 真っ直ぐ、後傾、前傾のいずれの場合でも、胴体と太ももの角度は90°以上である必要があります。 シートは、ふくらはぎとシート前部の間が1~3インチ空くようにします。 • 足は床やフットレストに平らに着くか、オットマンの上に置くようにします。 • アームレストは前腕を圧迫することなくサポートし、ゲームデスクに近づくことを妨げないものでなければなりません。 • 上腕と肘が体から離れず、肘の角度が70°から120°の間になるようにします。 • 腱や神経の障害を避けるため、プレイ中は手首が真っ直ぐになるようにします。
ゲームデスクはアクションを行う場所なので、人間工学に基づいたセットアップに対応していることが重要です。天板は、プレイヤーの肘の高さより少し低く快適な位置が確保できるようにします。その下は、脚や足に十分な余裕があり、太ももが当たることなく動けるような適切なスペースが必要です。さらに、ディスプレイ、ゲームコントローラー、入力デバイス、その他必要な機器に対応したデスクでなくてはいけません。 ディスプレイ/スクリーンの配置は、以下の推奨される人間工学的ガイドラインに従ってください。 • 高さは、ゲーマーやアスリートが自然に顔を正面に向けてプレイできるようにします。 • スクリーンの上端は、目の高さかそれ以下であるようにします。ただし、遠近両用レンズを使用している人は、スクリーンをより低い位置に配置する必要があります。 • 顔を正面に起こした姿勢で、下向きの視線で、ディスプレイ全体を見ることができるようにします。 • モニターは、顔からの距離、高さ、角度を調整できることが必要です。 • ディスプレイはプレイヤーの正面の中央に配置します。
認知、感情、身体の健康を高めるためには、ゲーミングスペースのセットアップだけでなく、プレイ中、仕事中、その他の時間における動きも重要です。そうすると、ゲームのパフォーマンスを向上させることができます。
動作には、「姿勢」「体位」「場所」の3つの層があります。
「姿勢」に必要なのは、人間工学に基づいた適切なサポート器具を使用することだけではありません。座ったり、立ったり、歩いたり、あるいは横になったりと、体に負担のかからない姿勢になるよう、体を鍛えることも含まれます。良い姿勢は正しい筋肉の緊張を維持し、関節や靭帯に適切な量の負荷を与えます。 「体位」の転換とは、座位から立位へ、またはその逆など、体重配分を大きく変化させることです。デスクでできるエクササイズなど、体位の転換は血行を良くし、むくみを解消し、筋骨格系の快適さを高める効果があります。 「場所」には、歩いて(あるいはスキップやジョギングなど、自分に合った方法で)別の場所に移動することが含まれます。場所を変えることは、認知を刺激し、他の人とつながる機会を作り、長期間の静止姿勢に伴う筋骨格系障害の可能性を低減します。 人間工学に基づいた適切なサポート器具を使用し、3層の動作のベストプラクティスに従うことは、ゲーマーやeスポーツアスリートにとって有益なことです。また、栄養価の高い食事、水分補給、運動、さらにリラックスする時間を設けるなど、健康的な生活習慣を維持することも重要です。これらはすべて、全体的な健康状態を向上させ、ゲーマーの最終的な目標であるパフォーマンスを高めることに貢献するのです。
人間工学に基づいたシーティングの基本を学び、健康とパフォーマンスの両方にチェアが重要である理由をご説明します。座ることの科学と、人間工学に基づいたさまざまな機能が、身体にどう快適さとサポートを提供するかを知ることができます。