2022年5月10日 • 所要時間:約4分

現在のワークプレイスの8つのトレンド

経営的意思決定を効果的に行うために知っておくべきこと

by Haworth, Inc.

ビジネスに影響をもたらす要素は、現在かつてないほど複雑なものとなっています。企業とそのリーダーたちが経営的意思決定を行う際に重要なポイントは、まず関連する情報とインプットを集めることにあります。これこそヘイワースが、ワークプレイス内の文化やテクノロジー、その他のトレンドの変化を確認・追跡してきた理由です。ヘイワースが特定した、現在のビジネスプロセスや仕組みに影響をもたらす8つのトレンドテーマを以下で詳しくご覧ください。 

1. 競合企業を戦略的パートナーへと変換する

コーペティションとは、競合企業と連携することで一歩先を行くビジネスを維持する方法を説明した新しい単語です。この戦略的なアプローチでは、時間だけでなく費用、リソースを節約することができます。例えば、パンデミック時のサプライチェーンの混乱は、リテーラーの結束を高め、製品が適切に移動し続けるように輸送能力をシェアしました。

またコーペティションは、EV(電気自動車)の生産を世界的に前進させています。フォードやフォルクスワーゲンは、ヨーロッパ市場に向けてEVを生産するためにコラボレーションし、ゼネラルモーターズとホンダは最近、世界市場に向けてより手軽なEVを届けるために、パートナーシップの締結を発表しました。

2. 実世界と仮想世界を組み合わせる 

実世界と仮想世界の融合は、変革と呼ぶよりも進化です。テクノロジーの漸進的な進化は、私たちの働き方と働く場所に着実に変化をもたらしています。VR(仮想現実)ヘッドセットを身に着けるだけで、約1万km離れた製造構造を訪れることができる環境を想像してみてください。

また、車の購入体験に訪れる変化を考えていましょう。車の購入者が快適なリビングルームのソファから複数のバーチャルショールームを訪れ、バーチャルで試乗を楽しめるようになると、車の購入体験は全く新しいものへと変化します。ワークプレイス構築を目的としたMeta社のVRへの数十億ドルの投資は、会議の実施方法や、リモートコラボレーション、トレーニングの実施方法に多大な影響をもたらし得るものです。最高幹部から現場で働く従業員まで、すべての従業員によってバーチャル空間がシェアされたとき、企業文化は必ず変化を迎えます。

VRテクノロジーの開発者が直面している課題のひとつは、責任をシステムに組み込む方法です。これによりソーシャルメディアが直面している潜在的な危険の一部を回避することができます。物理的世界と仮想世界を効果的かつ安全に融合することができれば、企業と消費者が交流する方法や製品とサービスが使用される方法に多大な影響をもたらすことができるでしょう。

3. 指定された時間に縛られないコラボレーション

非同期(同時に行われない)コラボレーションは全く新しいものではありませんが、パンデミックはより多くの人々が個々のスケジュールに合わせて作業する環境をより広く整えました。その結果として、タスクボード、書類やアイデアのシェアを実現する、より高度なツールが利用できるようになりました。こうしたツールの使用はより効果的な作業をサポートするだけではなく、ストレスや疲労、不安の一部を軽減するのに役立っています。こういった意味では、非同期コラボレーションは、異なるタイムゾーンの人々や、グループでシェアする状況に馴染めない人たちからも、より多様でグローバルなインプットを得ることができるのです。

4. 優れたデザインを持つワークプレイスで有能な人材を惹きつける

場所を問わない働き方の中で、有能な人材の獲得競争はかつてないほど激しくなっています。経験や知識が豊富な雇用主は、従業員の希望や好みを考慮しながらワークプレイスをデザインし、優れた人材の獲得と維持に取り組んでいます。現在欠かせないアメニティは、柔軟なインドア・アウトドア空間、ホスピタリティ空間、予約可能なワークプレイス、作業集中を促進する静かな空間、フィットネス施設、ウェルネスルームなどが含まれます。

 

新しいエコシステム:場所を問わない仕事の仕方

パンデミック前に設計された空間は、これからの働き方に適応できなくなるかもしれません。ヘイワースのバーチャルサミットの10/10をダウンロードして、さらに詳しい内容をご覧ください。

5. 革新を実現できる自由を従業員にもたらす

多くの雇用主は、社内起業家(イントレプレナー)へと移行することでより高い自立性を持つことを希望する従業員の願いを上手く利用しています。社内起業家は、革新的なアイデアを生み出す起業家と同様に最先端のプロジェクトに取り組んでいます。異なるのは、社内起業家は自身でビジネスをスタートさせるのではなく、既存の企業内で勤務しているという点です。高いモチベーションを持つ従業員が自由とリソースを与えられ、起業家のようにプロジェクトを開発することができる時、企業は競争の一歩先を行くイノベーションから恩恵を受けることができるのです。 

6. アクティビティベースのスペース活用

物理的なワークプレイスは、以前と同じく現在も変化を続けていますが、消失することはありません。企業は空間を新しいアクティビティベースのパターンや様式、さらには何気ない会話や交流をサポートするようなものへと移行する一方で、より優れたユーザーコントロールと柔軟性を提供しています。スペース活用のトレンドは、個人のワークプレイス面積の縮小を示す一方で、グループワークやコラボレーション、休憩用のスペースの拡大を示しています。 

7. ありのままの現実に対して安心し、心地よさを感じる

この数年で、私たちは世界やお互いのありのままの姿を受け入れ、心地よく感じることができるようになりました。「ありのままの信頼性」を強く求め、欠点や不具合があったとしても、それを含めた本物を見たいと思うようになっています。この傾向は、未加工の画像、ボディポジティブなモデル、虚飾を排したメッセージなどの急増が裏付けしています。

磨き上げられた完璧なイメージを重視するのではなく、信頼性が関係構築へのエンゲージメントに極めて重要となり、信頼の構築をサポートしています。 

8. 企業の社会的責任の向上

「企業の社会的責任」を実践する組織になるためのハードルは高くなりました。環境、社会、ガバナンス(ESG)戦略は、高まる気候危機に対する計画や対策の構築に向けて企業をサポートすると同時に、社会問題に取り組んでいます。

確固たるESG戦略をきちんと持つことで、ESG基準を精査する投資家や消費者が投資先やお金を使う先を検討する際、彼らを惹きつけることができます。人々はサステナビリティや労使関係、ロビー活動に関するテーマや問題を考慮した時、企業がどういう立ち位置にあり、どういった姿勢を持っているのかを明確に知りたいと考えています。さらに重要なことは、投資家や消費者は彼らの価値に企業活動が合致しているかどうかを確認したいと願っているのです。 

ワークプレイスの最新トレンドに対するヘイワースのインサイトはこちら

今日の組織がどのようにビジネス上の意思決定を行うかを左右する要因について詳しく知りたい方は、2022年春のTrend Insightsのインタラクティブレポートをご覧ください。

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