2022年4月12日 • 所要時間:約5分

「終わりのない世界」は存在しない

よりサステナブルな未来のために、人にセカンドチャンスを、モノにセカンドライフをもたらす手立てをご提案

by Philippe Delorme

建設機械、輸送、加工などの機器を動かすための化石エネルギー、そして、事業に必要な原料も今では供給不足に陥っています。エネルギー生成の75%を占める石油、石炭、天然ガスは、数年前に生産の頂点を超えました。つまり、変化のときはもうすでに超えています。

影響を最小限に抑える

ヘイワースでは、世界をより良いものとするために、この業界を変えるための取り組みを行っています。ヘイワースでは独自のサステナビリティプログラムを通じて廃棄物の量を減らし、リサイクルとリユースを通じて製品の耐久性を延ばしたいと考えています。このビジネスモデルでは、品質管理、購買、データ管理、ロジスティクス、施設、販売、営業、コミュニケーションにいたるまで、さまざまな役割をもつ人々を含め、会社全体の一人ひとりが意識し、貢献する必要があります。

この地球の天然資源を大切にするという当社の幅広いコミットメントに基づき、ヘイワースフランスでは、サスティナビリティの取り組みを2つ実践しています。

  1.   すでに加工され再利用できる資源を可能な限り使用する。
  2.   使用した製品は廃棄するのではなく再生する。

Valdelia

ヘイワースフランスは2011年、環境連帯移行省の承認を受けたエコ組織、Valdeliaの創設に寄与しました。同組織では初の取り組みとして、フランス全土にオフィス家具の回収センターを設置し、当業界で使用されてきた木材、スチール、アルミニウム、プラスチックなどの原料を再利用する仕組みを整備しました。 

2021年、Valdeliaは家具や備品などの廃棄物を325トン以上回収しました。ところが、回収された備品のうち、再利用されたのは2%を下回りました。 

Zodyチェアにセカンドライフを

2021年3月、フランス政府は公的調達時に購入品の最低20%をリユース、リサイクル、または再生材を含むものにすることを命じた施行令を発行しました。

ヘイワースは、Emmaüs Movement(慈善団体)への参加と中古家具を修理・修繕するために「Label Emmaüs」とのパートナー関係を締結しました。その目的は、まだ使用できる製品にセカンドライフを与え、企業に新しいサステナブルな購買方法を提示することにあります。2003年以降、ベストセラーとしてご愛顧いただいているZodyオフィスチェアは現在、フランス全土で数万脚使用されています。また、その耐久性の高いデザイン、効率的なメカニズム、高品質な素材により、Zodyは新品の保証期間を数年上回り長持ちすることも珍しくありません。その性質から、所有者が室内を改装する際に再利用できるシーティングが大量に発生します。

Cradle to Cradle」デザインアプローチによって製作されたZodyには、最大で31%の再生材が使用され、製品の99%がリサイクル可能です。また、室内の空気の質を改善するために、揮発性有機化合物の放散を抑えた製品に適用されるGREENGUARD GOLD認証を受けています。また、ZodyはLEEDとWELL Building Standard認証にも寄与しています。椅子1脚を修繕することで、およそ18kg~22kgの無駄を抑えることになります。

当社では現在、フランス全土で2年間の保証とトレーサビリティ付きの修繕済みチェアを多数ご提供しています。このように、当社では法人サステナビリティプログラムでお客様を支援すると共に、再生製品の公的な調達契約の要件を満たしています。人材派遣業界大手のFed Groupeは、Label Emmaüsで修繕されたZodyチェアの発注を決めた、パリで最初のお客様です。 

Zodyチェア修繕の8つのステージ

ヘイワースは使用済みのオフィスチェアを回収し、フランス南西部に位置するダマザンのPlateform 47で活動するLabel Emmaüsチームに送ります。当社ではチームに修繕で必要なすべての部品と道具を提供しています。その後、修繕されたオフィスチェアは元の所有者に返送されるか、当社へ送られ、Label Emmaüsとヘイワースの両社の名のもとに、市場で再流通されます。ヘイワースの販売担当者と再販業者はアプリを使用してZodyの在庫を追跡し、フランスの新施行令に準拠した製品をお客様にご提供できます。

また、古くなったオフィスの家具や備品の回収を依頼されるお客様も多数いらっしゃいます。フランスの大手鉄道会社からは3,500台のワークステーションを回収する依頼がありました。このように規模の大きな製品では、Label Emmaüsは専門機器の再生品開発を手掛ける組織、Aimaと連携し、国内外のバイヤーネットワークを供給するロジスティクス資源の提供を受けています。 

学問的知識と専門的知識の融合

ヘイワース、Label EmmaüsおよびAtelier Emmaüsでは、エコに配慮した再生品と製品のセカンドライフをお約束することに加え、社会的な疎外に立ち向かう社会プロジェクトのセンターへ人材を派遣しています。

Label Emmaüs Plateforme 47は現地の関係機関とEmmaüs Movementの支援のもと、2021年にダマザンに創設されました。同組織は、インクルージョンプログラムで5人一組のチームを支援しています。このプログラムを通じて、従業員にロジスティクスとデジタルテクノロジーで総合的なトレーニングを提供しています。Plateforme 47では2023年までに20人前後の人材を採用し、「Ecommerce Valorist」のスキル開発促進を目指しています。トレーニングには、人材が将来的に長く働けるよう専門的なプロジェクトを構築するという個別サポートも付加されています。

「モノにセカンドライフを、人にセカンドチャンスを」

これは70年以上にわたり、Emmaüs Movementのモットーとなっています。Label Emmaüsの組織では、2016年の創設からこれまでに携わってきたすべてのプロジェクトでこのモットーを実践してきました。同組織はインクルーシブとサステナブルな電子商取引を率先するために、Web上でグローバルなEmmaüs Movementの取り組みを共有してきました。

今日、Label Emmaüsはフランス全土で160店以上のオンラインショップを運営しています。また、同組織の支援する電子商取引のトレーニングには900名が参加し、個々の製品の再生を専門とするロジスティクスプラットフォームの開設に地元への影響を強めてきました。 

人々と環境に配慮した技能とデザイン

2017年、リヨンで創業したAtelier Emmaüsは、木工業および設計を手掛ける企業です。同社は現代的なデザインと技能、社会的な疎外との闘いという2つの世界の交差する場所に軸を置いています。Atelier Emmaüsでは人々に価値を提供する一方で材料の再使用を目指しています。 

すべての人が大工、木工、技能、設計、製造などを学ぶことのできるプロジェクトを設置し、指導するなど、初心者も広く受け入れています。その結果として完成したプロジェクトでは、彼らの新しいスキルが活かされ、また、優れた仕事を残すことで彼らの自信にもなっています。Atelier Emmaüsでは家具製作で使われる板、屋根ふき材や舞台の切れ端、Emmaüsの家具の断片、解体現場などから回収した扉や窓のわき柱にいたるまで、廃棄木材を使用します。

ヘイワースでは、パリショールームの改装をAtelier Emmaüsに依頼することで、当社のコミットメントを明確にしています。
 

サステナビリティに対する当社のコミットメント

私たちと共にある人、コミュニティ、環境をサポートするヘイワースの企業としての社会的責任への取り組みをご覧ください。

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